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飲食店のとっての「エシカル」とは!取り組む重要性と具体的な事例

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著者プロフィール:飲食店専門の補助金アドバイザー。

金融機関に20年間勤め、主に飲食店の補助金獲得に貢献。
通算1000人以上の飲食店オーナーと関わることで業界の全ての悩みを熟知。
その知識をwebで発信。経営難で困っている飲食店を少しでも多く助けるために活動中。

 

最近、「エシカル」という言葉が広がりつつあります。

人や社会、環境にとって、公平で優しい考え方や行動を意味する「エシカル」。

自分以外の他の人や地域・社会・自然環境などを思いやるという考え方が今広がっています。

 

社会貢献的なイメージが強い言葉ですが、飲食店にとってのエシカルはどのように関係しているのでしょうか?

取り組んでいく重要性や具体的取り組みなど、一緒に考えていきましょう。

 

いちごいちえ
エシカルって何だろう?

エシカルとは?

エシカルとは、英語の形容詞 「ethical」を、そのままカタカナに置き換えた言葉で、日本語に直訳すると「倫理的な」「道徳上の」という意味になります。

「倫理」「道徳」というと私たちが生活している上で守っているルールや、法律も倫理に含まれています。

赤信号の時には止まる、人の悪口を言ってはいけない、なども倫理ですよね。

ですが、実際日本においては直訳的な意味そのままを表しません。

例えば似ている意味の言葉で「モラル」(道徳)があります。

モラルは一人一人が持つ、価値観や行動の基準。

エシカルは、「地球環境」や「人」、「社会」、「地域」に配慮した考え方のこと。

マイボトルやエコバッグの利用などが、エシカルです。

次の世代の環境などを考えても、取り組んでいきたいところですよね。

 

飲食店を選ぶポイントに?第4の尺度「エシカル消費」

何かを買うときには誰でも、物を選ぶポイントというのがいくつかありますよね。

「おいしいから。」

「値段が手ごろだから。」

「雰囲気が落ち着くから。」

あなたのお店も様々な理由でお客様から選ばれていると思います。

 

ですが、これまで一般的には「価格や便利さ」を重要視して「環境的・社会的な事」は二の次にすることが多かったのではないでしょうか。

経済面を優先することで、これまで気候の変動や生物多様性の損失など多くの問題を生み出してきました。

エシカル消費とは人や社会、環境、地域などに配慮して、商品を選び、買い物をすること。

自分だけでなく、社会や環境、周りの人のことも考えようという価値観です。

 

今年も豪雨の被害など異常気象のニュースが多く流れました。

地球温暖化の影響で起こる被害やコロナで見えてきた社会問題によって、消費者の中で「環境」や「社会」に対する関心が高くなっています。

「エシカル消費」という考え方は「安心・安全」、「品質」、「価格」に次ぐ「第4の尺度」とも言われています。

飲食店を経営する中でも、味や接客や値段以外に新たに提供できる価値としてこれから注目されていくでしょう。

 

これまで環境問題に対する取り組みとして「エコ」が言われてきました。

環境に優しいとか、コストが安いという意味で使われていますよね。

「エシカル」は単に環境だけではありません。

貧困、児童労働、福祉、食品ロス、生物多様性の損失、地域の課題といった、社会全体に関わる問題を対象しています。

【人・社会】社会的に立場の弱い人たちの低賃金労働や、児童労働を抑止する。助けが必要な人を支援する。

【環境】  自然環境を損なわない。

【地域】  地産地消や応援消費などで、地域社会や地域経済を応援する。

 

SDGsも叫ばれてきた中で、こういった内容にいかに取り組んでいるかでお店への評価も変わってくるのではないでしょうか。

では具体的に飲食店として、どういった取組みをしていくことができるのでしょう。

 

いちごいちえ
具体的な取組みを知ろう!

飲食店ができるエシカルへの取り組み

食品ロスをなくそう!

食品ロスとは、本当はおいしく食べられる状態なのに、大きさや形が不揃いだったり、きずがあるもの、熟しすぎたもの、売れ残り、容器包装の破損など、いろいろな要因で捨てられている食品のこと。

日本では毎年600万トンを超える食品ロスが発生しています。

これは、国民1人あたりに換算すると1日約132グラム、毎日お茶碗1杯分の食べ物を捨てていることになります。

食べ物を必要としている人々がたくさんいるというのに。

なんてもったいないことでしょう。

 

食べ物を無駄にしているというだけではなく、廃棄物となってしまった食品を処理するのにもコストと環境への負荷がかかります。

地球温暖化でCO2の問題が叫ばれている今、こちらも無視できないですよね。

 

飲食店経営にはどうしてもつきまとう食品ロス問題ですが、そこに取り組んでいるかいないかで、今後社会やお客様からの目線も大きく変わってくるように思います。

また経営面を見ても食品ロスの削減はコスト削減にもつながりますから是非とも取り組みたい問題です。

 

食品ロス削減のための2つの具体事例

 

いちごいちえ
食品ロスをなくすための取り組みはどんなのがあるの?

 

1.「大人のバナナ」

皮が茶色く変色して本来なら廃棄されてしまうバナナを「大人のバナナ」と名付けて、バナナケーキを作って販売した3人の現役大学生。

イベントや講演、SNS発信など、いろいろなアイデアを出して食品ロスや環境問題を考えてもらうために、捨ててしまいがちなバナナを有効活用して楽しく普及啓発を行っています。

とてもパワーがありますね。

 

2.規格外野菜のスムージー

食品ロスのなかでも農業分野での廃棄は、世界でなんと年間9億9千800万トン

味や品質は問題ないのに他の野菜と合わない不揃いな「規格外」の野菜は、店頭に並ぶことなく廃棄処分に。

生産された農作物の最大25パーセントが、出荷されずに廃棄されています。

 

この規格外野菜をうまく活用したのが、住生活関連サービスを提供する株式会社LIFULLのスムージーサービス「Clean Smoothie」。

Clean Smoothieは、形が悪かったり、納期遅れを理由に、廃棄せざるを得ない野菜や果物をスムージーにして、毎月二回オフィスに届けてくれるサービス。

食品ロスを減らすと同時に、野菜が不足しがちな従業員の健康が向上していくことが嬉しいですね。

 

地産地消で地域の活性化を!

「地産地消」とは、地元で生産されたものを、地元で消費すること。

地域経済や、地元で働く人を支援できる取組です。

 

例えば、地域内で生産された果物を使って作られたスィーツ、地域内で獲れた魚を使って作られた干物などのように、同じ地域内(都道府県内)の素材を使って、生産・加工する「地元生産加工」

また、障がい者が作った小物やクッキーなどのお菓子等のような「就労支援商品」

これは福祉施設に作業を委託したり、障がい者が主体となって生産にかかわっている商品、社会復帰を目指す人など就労困難者が作ったり販売している商品のことなのですが、社会への思いやりも感じます。

 

地域内で生産・加工をおこなえば、地元で循環するお金を増やすことができ、地域経済の活性化につながりますよね。

そして、その地域に仕事が生まれ、雇用を創り出すことができます。

また、一定の地域内で生産や加工をおこなう場合、商品の移動が短くなり搬送や保冷にかかるエネルギー量が減ります。

地球温暖化の要因になる温室効果ガスの発生を減らすこともできるのが大きなメリットです。

 

まとめ

飲食店にとってのエシカルの関わりや具体事例を見てきました。

エシカルとは、人や環境、社会を思いやること。

「地球や環境にやさしい」というのはもちろん大切ですが、経営するにはコストばかりはかけられない事情もあると思います。

ですが、実際見てみる中で食品ロスの削減や地産地消など、経営にとっても良い取り組みなどもあったのではないでしょうか。

 

「エシカル消費」とは、自分の損得だけを考えるのではなく、環境や社会、人、などに配慮されたものをえらび、社会的な課題の解決につながるような消費をすることです。

今後、こういった価値観はどんどんと共感され広まっていくように思います。

エシカルへの取り組みは、自店の個性として愛されていく要因になるでしょう。

今こそ、是非「エシカル」と向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

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著者プロフィール:飲食店専門の補助金アドバイザー。

金融機関に20年間勤め、主に飲食店の補助金獲得に貢献。
通算1000人以上の飲食店オーナーと関わることで業界の全ての悩みを熟知。
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