飲食店の新しい業態「ゴーストレストラン」その成功のポイントとは？

「ゴーストレストラン」というワードを聞いた事はありますか？

コロナ禍も一時期よりも落ち着き、時短営業の解除や酒類の提供が解除されたりと状況は少しづつ明るい方向へ変わってきました。

長く先の見えない状況にうんざりしてしまう経営者の方も多かったのではないでしょうか。

そんななか、いま店舗を持たずデリバリーを専門とする新しい形態「ゴーストレストラン」が静かなブームです。

これから開業を考えている人、長年経営してきたお店も今後の経営のあり方のひとつとしてこの「ゴーストレストラン」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

「ゴーストレストラン」のブームに、これから挑戦しようとしている飲食店のためにその特徴や成功のポイントをお伝えしていきたいと思います。

ゴーストレストランとは？

いちごいちえ

「ゴーストレストラン」て何？

ゴーストレストランとは、実際の店舗を持たないデリバリーを専門とした飲食店のことです。

店舗がなくてどうやって、飲食店をするのと思う経営者の方も多いですよね。

しかし、コロナ禍を経て、これまではお店の営業のなかで補足的だったテイクアウトやデリバリーがこれからはメインになりそうな流れがきています。

調理は、シェアキッチンや間借りできる店舗でとこれまでの常識とは違う形でも存在しています。

できた料理を、テイクアウトまたはデリバリーサービスを行うサイトやアプリを介して注文を受け、配達してもらえばOK。

店舗の維持と接客が全く必要ありません。

今までは、出前や仕出しのように配達する人を店舗側が雇用していましたが、外部へと代行するサービスが出来たことによってその必要もなくなりました。

配達するための車やスクーター、もしくは配達員もいらないので配達のコストが大幅に下がります。

競争の厳しい飲食業界で、コストを下げてお料理を提供できることは飲食店にとって大きなメリットですよね。

街ではウーバーイーツのリュックを背負った人をよく見かけるようになりました。

コロナ禍の今デリバリー需要が高くなり、どんどんと普及していっています。

ゴーストレストランの4つのメリットとは？

1）初期費用がおさえられる

通常、飲食店を始めるにはいくらかかるのでしょうか。

物件取得費、内装工事費、外装工事費、店舗装飾や設備、備品代、スタッフの人件費などを合わせて、数百万～1,000万という大きな資金が必要です。

一方、ゴーストレストランの場合はというと、調理場を借りる費用、容器代、デリバリーサービス利用料などですみますから、初期投資を最小限に抑えてはじめることができます。

さらに、すでに厨房設備が整ったクラウドキッチンを借りる方法なら、自分でキッチンの設備をそろえることがいりません。

実質100万円、安ければ数十万円くらいで開業することができるので、お金をかけずに自分のお店を持ちたい方にとって大きなメリットです。

また、そういったクラウドキッチンの中には入居した事業者にデリバリー経営のノウハウなどを提供しているところもあります。

初期投資が小さく、サポート環境もあれば、新たに飲食業を始めたい人にとってもかなりハードルが低くなっています。

2）コストを削減できる

店内飲食の場合、店舗の管理と接客は避けては通れないものですが、ゴーストレストランの場合基本的にそういったものが一切ありません。

つまり、飲食店を経営していくための、家賃・光熱費・消耗品などのランニングコストや、接客・調理スタッフなどの人件費の削減もメリットが大きいです。

また、インターネット上での注文であれば、混雑具合も確認できるので調理スタッフの配置を最小限にすることも可能。

中には、シェフが1人で切り盛りしているお店も少なくありません。

配達スタッフが、調理した商品を受け取り可能となるスペースを借りることが出来れば、小スペースで済むので家賃や間借り料も押さえることもできます。

3）シェアキッチンで他店との情報交換ができる

複数の飲食店がキッチンスペースを分け合って利用するのがシェアキッチンです。

異なるジャンルの料理を同じ空間で調理することによって、普段関わることのなかった他店のスタッフとの交流もできます。

情報交換しながら、たくさんの刺激をもらえるでしょう。

新しいアイデアがうまれて、お店が繁盛したら嬉しいですよね。

4）柔軟な営業

ゴーストレストランは、とにかくフットワークを軽く動けるので、食材と料理が間に合えば多くの注文をこなすことができます。

特に、前もって売上を分析し、どんな日のどんな時間帯にどんな料理の注文が多いのかを把握しておくことによって、多くの注文にも対応できるようになります。

また、新しいメニューの反応を試してみたり、お店の路線を変更したいときにも、低リスクで試してみることができます。

ゴーストレストランの成功のポイントは？

メニューの開発

ゴーストレストランを成功させるためには、お客様が求めるものを提供することが大切です。

料理の味のバリエーションなどを考え、改良し、クオリティの向上を目指すことが大切です。

日本では、ゴーストレストランの知名度が低いため、ケータリングやイベントなどを開催して大量に受注することで知名度を上げていくことで経営を安定させます。

お店独自のホームページ作成

ほとんどのゴーストレストランは、ウーバーイーツなどのデリバリーサービス業者と契約していますので、お客様はまずそのデリバリーサービス業者のポータルサイトから探します。

その時、「このお店に注文したい！」とお客様に思ってもらうためには、お店独自のホームページがあることが、非常に効果的です。

メニューの写真や価格だけでなく、お店の大切にしていることや目指しているコンセプト、スタッフの写真や、感染症対策などの情報提供をします。

お客様にお店の魅力だ伝えて選んでもらうように工夫が必要です。

また、LINEなどSNSと連携して、常に新しい情報を発信することが重要です。

店舗用のインスタグラムのアカウントを作り、美味しそうな写真やおしゃれな写真を投稿し、ユーザーにファンになってもらうことも売り上げに影響します。

リピートのお客様や、口コミで広げる

売り上げの中で多くを占めるのは新規の顧客ではなくリピーターの存在です。

そのため、2回目以降の利用につなげる工夫や努力は非常に大切となります。

一度注文してくださったお客様にお届けするときには、お店の紹介カードやメニュー、次回使えるクーポンなどを入れて「また利用しよう。」と思ってもらえる工夫をしましょう。

まとめ

これまで見てきたように、ゴーストレストランのメリットは、初期費用が抑えられコストが削減できるところです。

店舗を持たないというのは、一見安定していないように見えますが、いつ営業自粛や時短営業などを要求されるか分からないこのご時世となり、家賃や多くの人材などの固定費を持たないことは大きな強みになります。

そんな点もフットワークの軽いゴーストレストランは様々な可能性があります。

シェアキッチンで調理スタッフとのコミュニケーションによって、お客様に喜ばれる料理がたくさん生まれるかもしれません。

成功のポイントは、お客様が満足する料理を提供すること。

そして、LINEやSNS戦略を欠かさずお客様に存在を知ってもらうこと。

しっかりとメリットを生かして、ゴーストレストランでの経営に挑戦してみてはいかがでしょうか。