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カフェ開業時に必見!日本公庫の事業計画書 項目別の書き方

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著者プロフィール:飲食店専門の補助金アドバイザー。

金融機関に20年間勤め、主に飲食店の補助金獲得に貢献。
通算1000人以上の飲食店オーナーと関わることで業界の全ての悩みを熟知。
その知識をwebで発信。経営難で困っている飲食店を少しでも多く助けるために活動中。

 

 

カフェを開業しようと思っても、自己資金が足りない場合、金融機関から融資を検討しますよね。

しかし、金融機関も簡単にはお金を貸してくれません。

なぜなら、あなたがお金をきっちり返済してくれる人物か分からないからです。

そこで、融資を受ける際に必要となる書類が事業計画書す。

 

事業計画書は、あなたが事業を始めたい熱意を表す書類です。

「カフェを開業したい!」そんな熱い想いを事業計画書にぶつけましょう!

 

でも、記入するのはなんだか難しそう。

そう思った方でも安心!

項目は多いですが、そんなに難しいことはありません。

ここでは、項目を一つずつ説明していきますので、一緒に記入してみましょう。

 

事業計画書とは

事業計画書とは、今後の経営方針や開業する動機などを記載した、

いわば「夢を実現するための設計書」です。

この事業計画書をとおして、融資担当者はカフェ運営の見通しが甘くないか、返済をきっちりしてくれる人物なのかを見極めます。

融資を決めるための重要な書類です。

 

事業計画書の入手方法

事業計画書は、金融機関ごとにテンプレートが異なります。

個人でカフェ開業のために融資を受けるなら、日本政策金融公庫の融資制度が一般的です。

日本政策金融公庫の融資制度を使いたい場合、事業計画書はHPからダウンロードできます。

 

引用元:公式HP 日本政策金融公庫(国民生活事業)

 

※日本政策金融公庫では「創業計画書」となっていますが、当サイトでは「事業計画書」と呼んでいきますので、ご注意ください。

 

事業計画書の記入例もあるので、一緒にダウンロードしておきましょう。

 

引用元:公式HP 日本政策金融公庫(国民生活事業)

 

事業計画書の書き方

 

ダウンロードはできましたか?

それでは、早速記入していきましょう。

「いや、いきなり無理でしょう!」と思うかもしれません。

でも、大丈夫です。

事業計画書はあくまでも、事業の目的や、今後やるべきことを自分の言葉で書いていくことが大切です。

埋められそうな部分から、取り掛かってみてください。

文章がおかしくても、収支の見込みが赤字になるようでも構いません。

 

まずは書いてみる。

その後じっくり分析してみましょう。

 

自分が融資担当者になったつもりで改めて見てみると、「採算が合わない」「ここが曖昧だ」といった、矛盾点がきっと見つかるはずです。

そういった問題点を、今度は修正していきます。

この作業を何度も繰り返します。

時間をかけてじっくり取り組むことで、開業したい想いや、経営計画がはっきりしてくるからです。

記入することで、頭の中の事業計画もアップデートしていきましょう!

 

それでは、用紙記載事項順に、記事内容を確認していきましょう。

1 創業の動機

創業の動機は、カフェを開業したいと思った理由を書きます。

ここはあなたがカフェを開業するために、

どんな経験を重ね、準備をしてきたのかをアピールする項目す。

開業は、急に思い立って始めた訳ではありませんよね

これまでの下積み経験や自己資金の準備を計画的に進めてきたことを、自分の言葉で書いていきましょう。

 

また、「数字」を入れるのもポイントです。

数字を書くことで、より相手に具体的に伝わりやすくなります。

【例】・私はカフェで働いていました。

   ・私はカフェで5年間働いていました。

下の方が勤務年数が分かり、より具体的になりますね。

良かったら、試してみてください。

2 経営者の略歴等

 

経営者の略歴は、あなたの職務経験を記載しましょう。

今までどこに勤めていたのか、どのような業務をしていたか、日付とともに詳しく書きます。

同業種で働いた経験があれば、ここはしっかり書いておきましょう。

カフェを開業するまでに、同業種で下積み経験があるのとないのとでは、評価が大きく変わります。

一般的に同じ業種で3年働いていれば、最低限のノウハウがあるとみなされます。

 

また、カフェ開業に関わる資格も持っていれば、それも記入しましょう。

例えば、食品衛生責任者や防火化管理者、調理師といった資格、

簿記などの経営に役立つ資格も融資評価につながる場合があります。

3 取扱商品・サービス

 

この項目は、お店で提供するメニュー内容や、どんな接客をするのかを書きましょう。

以下で詳しく見ていきます。

取扱商品・サービスの内容

ランチやディナー、ドリンクといった提供するサービスに分けて記載します。

売上シェアは、売上全体のうち、①②③で書いた取り扱い商品・サービスがそれぞれ何%を占めているかというおおよその数字です。

事業の全体像を融資担当者に伝える指標の一つが、売上シェアになります。

 

記入例をみると、ランチの売上シェアが19%で、夜は81%となっています。

このことから、記入例のお店では夜の営業に重点を置いていることが分かります。

あなたのお店では、どのサービスに重点を置くか考えておきましょう。

セールスポイント

ここはお店の強みをアピールする項目です。

お店のコンセプトにそった店づくりの特徴や、オリジナルメニューの内容などを記載します。

販売ターゲット・販売戦略

お店の立地やコンセプトに合わせた、狙うべき客層を記載します。

競合・市場など

お店の立地環境や交通量、周辺にはどんなお店があるかを記入します。

4 取引先・取引関係等

 

販売先や仕入れ先を記入していきます。

販売先

販売先はお客さんのことです。

一般のお客様を想定した場合は、記入例のように「一般個人」と記載しましょう。

【シェア】

取引先ごとの割合を記入します。

【掛取引の割合】

掛取引とは、支払い方法の一つです。

商品を渡す時に代金を支払わず、後日まとめて支払いをすることです。

支払いが現金のみであれば、掛取引の割合は空欄、記入例のように「即金」と記入します。

【回収・支払の条件】

締め日と支払日を記載します。

仕入れ先

商品を安定的に確保できる取引先のことを仕入れ先といいます。

カフェ運営をしていくうえで、仕入れ先を決めておくことは大切です。

仕入れ価格が分かるため、原価計算がしやすくなるからです。

 

原価計算ができると、商品にかかるコストを算出できます。

そのため、一つの商品にどれくらいの利益が出るか分かるようになるからです。

商品の仕入れ先が決まっていることは、安定的に運営できると評価にもつながります。

 

外注先

外注先とは、自分の仕事を他の人(会社)に頼むことです。

外注先があれば記入しておきます。

 

人件費の支払い

従業員を雇う場合、給料の支払い期日を記入します。

 

5 従業員

カフェを開業するにあたって従業員は何人必要ですか?

必要な従業員の数を想定して記載しましょう。

 

6 お借入れの状況

借り入れがどのくらいあるかは、金融機関にとって、融資や設備投資をする際の判断基準になります。

個人で借り入れている分がある場合も、必ず記載しましょう。

 

7 必要な資金と調達方法

この表は貸借対照表(バランスシート)といいます。

貸借対照表とは、どんな資産があり、どんな負債があるのかを記載するもので、あなたのお店の財務状況がひとめで分かります。

 

設備資金

設備資金は、いわばあなたのお店の資産です。

お店の工事費用や厨房機器、設備機器、備品など内訳を書きます。

記載した内訳はそれぞれ、購入金額の根拠として見積書を添付する必要があります。

設備資金は、こだわれば増えやすくなるところです。

工事費用や購入品の金額は、いくらかかるか正確に計算しておきしましょう。

 

運転資金

運転資金は、カフェ開業後の運営にかかる費用です。

仕入れ費用や人件費、家賃、水道光熱費、広告費などがあります。

これらは、ランニングコストともいいます。

お店を運営するためにいくら費用がかかるのか、1カ月分をまずは計算してみましょう。

その後、開業後2~3か月の運転資金を表に記入します。

 

調達の方法

調達の方法で、最も重要なのが自己資金です。

日本政策金融公庫で融資を受ける場合は、開業に必要な費用の10分の1以上の自己資金が必要になります。

 

次に、親、兄弟などから借り入れた分です。

家族から借りたお金は自己資金とはみなされません。

返済予定も書いておきましょう。

 

そして、日本政策金融公庫に申し込む融資金額を記入します。

注意すべきなのは、記入した融資金額が全額もらえる訳ではありません。

融資金額より多くなることは、まずありえません。

申込金額より少なくなる可能性が高いため、余裕をもった見積り金額を記載しておきましょう。

 

必要な資金(資産)と、調達の方法(負債)の合計金額をそれぞれ出します。

必要な資金と調達の方法の合計金額は一致するように計算しましょう。

 

8 事業の見通し(月平均)

 

1カ月ごとの売上や経費を、概算で求めていきます。

概算といいましたが、理想ではなく、現実的な数字を想定しましょう。

最後に1カ月分の利益を出すので、お店の経営がうまくいくかどうかの目安になるからです。

事業計画書の一番重要な項目になります。

気合いを入れていきましょう。

売上高①

売上高は1カ月分を想定して記入します。

以下計算式になります。

客単価×席数×回転数=売上

売上×営業日数=1カ月の売上高

計算式に客単価、席数、回転数を当てはめ、売り上げを出してみましょう。

売上原価(仕入高)②

売上原価は、材料を仕入れる、または料理を作る際にかかる費用のことです。

売上高×原価率=売上原価

原価率とは、売上に対する原価の割合です。

原価率の求め方は、以下のように考えます。

原価÷販売価格×100=原価率(%)

計算が多く、大変に思うかもしれませんが、

事業計画書を記入する事でご自身の経営イメージもつかむ事ができます。

お金の計算は、後々切り離せない事ですので、頑張りましょう!

人件費

正社員やパート、アルバイトを雇用する予定があれば、人件費も記入します。

お店のシフトを仮で作成し、従業員が必要な時間数を把握します。

時間数×日数×時給=人件費

一つ補足があります。

あなたが個人事業主である場合、あなたやあなたの家族の人件費は経費として計上できません。

ここは注意しましょう。

家賃

実店舗が賃貸であれば、家賃を記入しましょう。

 

支払い利息

融資などで借り入れているお金があれば、その1カ月分の利息を記入します。

借り入れ金額×金利(%)=年間の利息

年間の利息÷12カ月=1カ月の支払利息

その他

水道光熱費や諸経費の1カ月分の金額を記入します。

 

合計③

人件費、家賃、支払い利息、その他の項目を足した合計になります。

 

利益①ー②ー③

ここまで、記入できましたか。

最後は利益を求めます。

売上高①ー売上原価②ー経費③=利益 

これで、1カ月分の利益を求めることができました。

ですが、利益の全てが手元に残る訳ではありません。

利益から税金が引かれるためです。

税金分も考慮したうえで、利益計算をしましょう。

 

まとめ

事業計画書の書き方は、理解していただけたでしょうか。

項目は多いですが、一つ一つじっくり取り組めば、必ず書き終えられます。

 

注意すべきことは、カフェ運営の考えを自分の言葉で書くことです。

決して他人まかせにしてはいけません。

 

自分のお店の経営や事業の見通しが分かっていなければ、今後の運営はうまくいきません。

分からない点があれば、調べたり、税理士からアドバイスをもらうと良いでしょう。

 

自分の言葉で書くことは、今後のカフェ経営を見据えるいいチャンスです!

融資担当者にカフェを開業したい熱い想いを伝えるためにも、ぜひ自分の言葉で書いてみてください。

 

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著者プロフィール:飲食店専門の補助金アドバイザー。

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