度重なる緊急事態宣言に、蔓延防止措置、ウィズコロナの時代へ。コロナ禍において、人々の生活が変わってきている事を何度も実感してきているのではないでしょうか。
中でも飲食店経営者の方々、今後飲食店を経営したいと考えている方々はこの変化に悩まされてきたことと思います。
そんな飲食店経営において、最近注目度、利用率を上げている形態が、そう。”テイクアウトのみ”の業態。
「あんまり儲からないのでは。」
「長く続けられないんじゃないか。」
こういったイメージで避けてしまうのは、もったいない。
ウィズコロナの今の時こそ今後を見据えたニーズをつかんでいきたいですよね。
本記事では、そんな飲食店のテイクアウトについての実情、また、急増しているテイクアウト専門店のメリット・デメリット、取り組み例について記していきたいと思います。
コロナ禍のテイクアウト情報が知りたい!
さて、いざテイクアウトを始めようと思っている皆さん。一体コロナ禍である現在のテイクアウト事情はいかがなものか、気になりませんか。
ライバル店はどれくらいあるのか、コロナ禍でどれくらいテイクアウトのお店が増えたのか、データで見てみましょう。
引用元:株式会社プレシャスパートナーズ(2020年10月)
引用元:プレシャスパートナーズ(2020年10月)
なんと今や飲食店の約7割がテイクアウト事業を行っており、また、テイクアウトを始めたのがコロナの影響という飲食店は半数を超えているのです。
テイクアウトを行っている飲食店が増えたことを感じていた方も多いと思いますが、改めて数字で見ると、テイクアウト事業は飲食店経営者のメインテーマとなっていることが分かります。また、今では"テイクアウトのみ"でお店を営業するテイクアウト専門店が急増しています。
テイクアウトのみで成功している飲食店も多く存在しているとか…。
これから飲食店を始めようと考えている方、家賃などの重荷を少しでも減らしたいと考えている方は”テイクアウトのみ”を考えてみてもいいかもしれません。
実はメリットだらけ!?”テイクアウトのみ”のメリット・デメリット徹底解説。
では早速、テイクアウト専門店を経営するメリットについて見ていきましょう。
メリット①家賃や家具などの固定費や準備費用が少ない。
これは今からお店を始める人にとって、最も大きな利点といえるのではないでしょうか。
イートインできるお店を開くには、通常、厨房があり、人が集まれるような広い場所、家賃、光熱費等、初期費用や固定費が多く掛かります。
それら資金は、平均で約700万~1200万円程度かかるといわれています。
もちろん場所などにもよりますが、立地のいい場所で営業するとなれば、家賃だけで精一杯、何て事にもなりかねませんし、こだわりのある家具をそろえたり、内装にも力を入れたらさらに費用が嵩むでしょう。
一方でテイクアウト専門店は、イートインの飲食店の半分の500万円程度でも出店が可能です。
飲食店開業は、敷居が高いと思っていた人も気軽に始めやすいのではないでしょうか。
メリット② 人件費が少ない
広いスペースで飲食店を営業するとなると、やっぱり必要となるのが、社員、アルバイト、パート、働く人の力。
しかし、テイクアウト専門店では、その力はあまり必要がありません。お客さんの席まで出向く必要もないですし、スペースも少ないはずですので、普通の飲食店に比べ、少人数での経営ができます。
一人雇うだけで、一日一万円程の費用と考えると、この人件費が少なくて済むのはかなり大きな経費削減です。
メリット③ 物理的な人数制限がない
席数という概念がないテイクアウト専門店は、人数制限に悩まされることもありません。
また、お客さんは注文して、商品を受け取ったらすぐに帰ります。店内で食べていく時間もありませんので、回転率を気にする必要もありません。
テイクアウトのみとなると、同じ飲食店経営でもハードルが低いように感じますね。
では、デメリットはどんな点が挙げられるのでしょうか。
デメリット① メニューが限られる
持ち帰ってから食べるとなると、どうしても移動時間がかかり、それによって提供できるメニューも限られてきます。
例えば、刺身などの生ものはリスクが高いので控えた方がいいかもしれません。また、時間がたってもおいしく食べれるものであるという点も求められます。
このようにテイクアウト専門店においては、衛生面、移動時間を考えたメニューが求められるでしょう。
さらに、お弁当はテイクアウトの定番といった印象があり、実際に多く販売されていますが、こちらも直射日光のあたる外において販売するのは危険です。
売るものや、売り方に制限があるのはテイクアウト専門店のデメリットといえます。
デメリット② 商品価格の相場が低い
イートインで出来立てのおいしい料理が食べれるならといって高いお金を払う人はたくさんいるでしょうが、容器もプラスティックで出来立てとは限らないとなると、当然お客さんの費やす金額は変わってきます。
そのため、テイクアウト専門店の価格相場は低いといえます。
お弁当などは平均800円程度になると言われています。
商品価格を低く設定しなければならないので、その分たくさん売ることのできる商品を考えることが大切ですね。
儲けるテイクアウト専門店にするには?
上記でも述べたように、簡単に始めやすいテイクアウト専門店。
しかし、単価が安い事もあって、どのように儲けるか、なかなかイメージがつかないかと思います。
今儲かっているテイクアウト専門店を例に、儲けるコツを考えていきましょう。
ただいま急増中!?「キッチンカー」での営業
コロナ禍においてテイクアウトの需要が増えるとともに、今急増しているのが、キッチンカーでの飲食店営業。
キッチンカーといえば、ケバブ屋や、クレープ屋等を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
キッチンカー販売は、フードトラックともいわれています。
キッチンカー販売とは、調理ができるスペース、設備を備えた車の中で調理を行い、移動した先々で、商品を売るという販売方法の事です。
キッチンカーのメリットは、やはり初期費用、固定費が安いというところ。
家賃を払う必要がありませんし、水道やガスを通す初期費用も掛かりません。
車を買う費用も馬鹿にならないのでは?と思うかもしれませんが、今は、レンタルすることも可能となっているので、安く済みますし、本格的に飲食店を始める前のテスト販売のような役割も担うことができます。
また、場所を転々とできるため、売れないと思った地域からはすぐに離れることができますし、自由が利くでしょう。
それらのメリットもあり、キッチンカーの台数は、たった10年で倍増しています!(ダイヤモンドオンラインより)
コロナ禍で密にならない点も、消費者を呼び込む一手になっています。
天気に左右されやすい点等はありますが、うまくいけば、少ない資金で儲けることができるかもしれません。
完全セルフサービス「無人販売所」で儲ける。
スーパーでのセルフレジ、コンビニ無人化の試験等が行われる等、無人化が加速する中、飲食業界でも無人販売所が注目されています。
皆さんは「餃子の雪松」という餃子屋をご存じでしょうか。餃子の雪松は創業昭和15年、群馬の有名店。そんな老舗の味を無人で買うことが出来る、「餃子の雪松」の無人販売所が今人気なんです。
では、一体どんな仕組みで成り立っているのか、「餃子の雪松」の例を見てみましょう。
無人販売所は、24時間営業。お客さんは、冷凍庫から商品を取り出し、料金はお賽銭箱のようなボックスの中に投入するだけ。なんて簡単なんでしょう…。
おつりは出ないということで、少し不便さはありますが、難しい仕組みがないのも、老若男女問わず利用される、人気の秘密なのかもしれません。
無人販売では、このように全く人がいなくても成り立ち、お客さんにとっても、気軽に利用できるという点で注目されています。
今や全国各地に広がり、わたしも毎度、近所の散歩途中で見かけては気になっています。
盗難は大丈夫なのか、という点が気になりますが、雪松では、防犯カメラを3台設置しているそうです。
防犯対策には気を付けなければいけないですが、長い目で見たときの費用の安さや、ずっと続いていける仕組みであることから、無人販売も選択肢の一つだと思います。
まとめ
いかがでしたか?
飲食店の業態も、時代に沿って大きく変化していることが改めて感じられたのではないでしょうか。
”テイクアウトのみ”。これから飲食店を始めるという方々には、見逃せないキーワードになることは間違いありません。
ただ、一口にテイクアウトといっても、様々な形態がありますし、簡単に始められるという点は一方で、ライバルも増えるということになります。
成功しているお店のノウハウや、テイクアウトのみのデメリットを補うことで、テイクアウトのみである利点を最大限に引き出していけたら強いです。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。